コラム

2021/10/26コラム

成年後見人をつけると戸籍に載る?

弁護士 有馬 慧

成年後見人など、法定後見を利用すると、戸籍に載ってしまうのではないか?

このように心配される方がいらっしゃいます。

 

結論から申し上げると、成年後見など法定後見を利用しても、戸籍に載ることはありません。

かつて、後見制度の前身である禁治産制度の時代には、戸籍に記載がされていたのですが、制度利用を促進するため、戸籍への記載はやめ、本人のプライバシーにより配慮した登記制度が創られました(後見登記等に関する法律)。

登記を取得することができるのは、原則として、本人、成年後見人・保佐人・補助人、それらの類型の監督人に限定されます。

よって、成年後見人は、自身が成年後見人の立場にあることを証明するためには、法務局で登記されていることの証明書を発行してもらい、これを利用することになります。

また、判断能力に不安のある方と取引をしたい相手方は、ご本人に対して、登記されていないことの証明書の提示を求めることで、取引の安全を確保することになります。

 

なお、未成年後見の場合は、現在も戸籍に後見人の名前や本籍地が記載されます。

特に親族以外の方が後見人になる場合は、プライバシーの観点から悩ましい問題となります。

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